冬の嵐の中、多くの方に来て頂き、誠にありがとうございました。6時半会場、12時撤収だったけど、「あっ」という間に時間が過ぎました。本当はもっと参加者の人と話したかったのだけど、人が多すぎたこと、会場が広かったこと、進行を務めていたこともあって、ゆっくり話すこともできませんでした。またどこかで声をかけて下さい。
さて、「ポリティクス」。少しレビューをします。
まず、前日の長谷川さんとのヒアリングで対象者をアーティスト&アーティスト志望者にしましょう、ということなり、それをもとにカンバセーションを組み立てていきました。
まず、堅く「ポリティクス」の定義から。今回話したポリティクスは日本語では政治。けれども「政治」といった時、政党政治や、安倍や小泉などを連想してしまい、焦点をあてたかった「日常に作用する政治」を想起しにくいだろうと考え、あえて馴染みの薄い「ポリティクス」としました。そして、どのような関係にポリティクスは作用するのか?支配関係(権力)、指導関係(権威)などを含む上下関係にポリティクスは深く関わっています。そのように定義してから、アトリエ・ワンの作品紹介、塚本さんの作品を作る上でのスタンス(ありふれたものを利用する)などを話して頂く。その時には度々「創造的主体」というキーワードが出てきました。その後、長谷川さんからはフェリックス・ゴンザレス=トレスの作品を例に、彼が考えていた政治的関わりを解説されました。キャンディを室内のコーナーに積んだ作品「untitled(placebo(偽薬))」は、作品を共有するということ、また「偽薬」というタイトルはキャンディという、どこにでもあるものを「アート作品」として提示することを含意している、とのこと。なるほど。今回、このカンバースのためにゴンザレス=トレスをリサーチしたが、こんなにも政治的背景を意識しているとは、恥ずかしながら知らなかった!!パワーポイントでも紹介したけど、彼の言葉を紹介します。
「いったい誰が政治的じゃないアーティストなのだろうか。まるで、歴史においてそれが可能だったかみたいだ。」
確かに当然なんだけど、もっと自覚的にならなければ、と。長谷川さんに「アーティストはこのような社会的背景を考えなければいけないの?」「右脳全開でアトリエにこもって制作してるだけじゃダメなの?」と質問をしてみる。「職業的アーティストを目指すならばSocial Responsibility(社会的責任)を考える必要があるでしょう。」とのこと。確かにね。地球環境のこともあるし、なんで今これを作る必要があるのか、という問いかけが必要だとおっしゃていた。さて、会場からは母親(という身近な存在、そしてアートに関心のない他者)に対してどのような説明が可能だろうか、という質問や、展覧会をするにあたって、どのように場所を考えられるのだろうか、といった話が出ました。なかなか実践的な話しになり、そして未来に向けて前向きなかたちでカンバセーションを終えることができました。
そのあと、DJタイム(DJして頂いた方、この場を借りて感謝申し上げます!!)、プレゼントなどを渡したり。メンバーの細田君はドラッグクイーンに初挑戦。伊藤君は侍に。会場は雑談タイムに移行。想像以上に参加者の反応が良く、励みになりました。そうこうしているうちに搬出作業へ。しっかし、本当に恐ろしい嵐やったなぁ。。。ある意味伝説・・・。