今日、大学に卒業証書を受け取りにいく。ついでに絵画棟によって、油絵科に顔をだす。6階のエレベーターに乗り、閉まる間際に携帯電話が手もとから滑り落ちた。その刹那、携帯電話は吸い込まれるように、エレベーターの溝に入り込み、6階から1階へと急降下。あまりにスムーズに落っこちたので、エレベーター前で助手さんと顔を見合わせ、いま起きた出来事がにわかに信じられなかった。
絵画棟の6階と言えば、普通住宅の倍ぐらいの高さはあるので、20m弱ってところか。住所データや、買い替えのお金や、いろいろと不都合なことが頭をよぎる。バラバラになっているだろうけど、fomaカードやら、microSDだけでも見つかれば、と祈りつつ、慌てて1階に降りる、どこかに引っかかっていないか、エレベーターの隙間から救出できないか、ライトを当てながら、見てみるも、跡形もなし。一縷の望みをかけて、助手さんに僕の携帯電話にかけてもらう。
「プルルルルルル」
鳴ったぁあああ!!二人とも、携帯が生きていることに驚きながらも、どの辺りに落ちているか着信音を頼りに詮索する。結局、業者を呼ばないと取り出せないということで、助手さんが迅速に対応してくれた。携帯一個のために業者を呼ぶなんて、という心の突っ込みもありつつ、必需品となっている携帯を失うのはかなりの痛手。業者さんと助手さんに感謝多謝。拾い上げられた携帯電話は少しボロくなったけど、全然使える!!久しぶりに嬉しい出来事っていうか、冷や汗をかいた。
その後、人形町のヴィジョンス・ギャラリーで開催されているKarin Pisarikovaの個展
「アフターシェイブ」に足を運ぶ。想像以上に綺麗なギャラリーで、天井も高く、場所も広い。そのことにまず驚く。カリンの作品は良い意味で好き勝手にやっている感じが気持ちよかった。大雑把には、というか、本人も意識しているのだろうけど、ジェンダーやクィアの問題を扱っているけど、そのことよりも、彼女自身のアクティブさが印象に残った。カリンにはチェコでの展覧会というかスクリーニングに誘ってくれて、僕はそちらに参加する。詳しくは後日。
そして、トーキョーワンダーサイト本郷へ。現在開催されている
「Emerging Artist Support Program 2008」を観る。3つの企画公募された展覧会が開催されている。「on concrete」を企画した亀井佑子さんからお知らせをもらっていたので、楽しみにしていた。1階で「座布団レース」を企画していた光興(牛嶋みさを、中島海)さんとは、4年前、ニューヨークのV.A.Galleryで一緒だった。その時の、二人でボンレスハムをかじり続けるパフォーマンスが印象に残ってる。どちらの展示も現在形をうまく表しているなぁ、と興味深かった。特に、セバスチャン・シュトゥンフのまだ若い植木に、強引に登る映像は、ハラハラしつつも、痛快。選んでいる植木も、特に日本のものは場所性も読み取れるので(例えば渋谷のポリボックスとか)ハラハラ感は増す。
3階の展示は、良くも悪くも、よく分からなかったのだけど、そのため「何でかなぁ」と作品を前に思案していた。ただ飴ちゃんを並べた作品は、チラシ写真のように、もっとドロドロ溶けている箇所があって良かったかな。
入場料無料で、てんこ盛りの展示が見れるので時間の合う方はぜひ。
1階の「座布団レース」展示風景
その後、ドイツからインターンとして沖縄のwanakio2008にスタッフとして働いていたリンダが明日帰国するということで、急遽飲み会となる。集まった場所の近くの公園で花見をして、思い出話や、別れを惜しむ。っていうか、きっとこいつはまた帰ってくるだろう。